2007年3月18日日曜日

(書評)拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる

(この記事は2005年10月25日にLivedoor Blogに掲載したものを再掲)

昨年は10月14日にアメリカ政府から日本政府に提出されているので、そろそろ今年も恒例の「年次改革要望書」(正式名称:日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書)が届くはずである。この本は日本がいかにこのアメリカの「年次改革要望書」のシナリオと内容に沿って規制緩和(という名の外資導入)を行ってきたかを書いた本である。

当然ながら郵政民営化法案もこの要望書の争点に沿って立案されている。驚くべきは、阪神大震災の後に建築基準法が改正になり、いかにも震災をきっかけに建築要件が厳しくなっているかと思いきや、米国の建築・設計事務所がコンペに参加しやすいように基準が緩やかにされたという事実である。国は震災を教訓にしたのではなく、年次改革要望書を優先させた規制緩和を行ったのである。

今年は当然、牛肉輸入再開が最優先事項となっているはずだ。当然のことながら、国が優先するのは年次改革要望書にどう応えるかであって国民の食の安全ではない。TVニュースで主婦が「国が認めるのですから安全なはずなので、安ければもちろん米国産を買いますよ」と答えていたが、こういう人は残念ながら何かあっても救われない。

先のエントリーに書いたように、この社会は情報は選択的にしか発信されないし、それを批判的に検証することを怠った消費者・国民は国からも救われない。

それが今後日本が向かおうとしている(国民がそうしてくれと総選挙で選択した)「小さな政府」というものである。





0 件のコメント: