2007年3月20日火曜日

(書評)石橋湛山

実は今、石橋湛山がマイブーム(死語か?)である。きっかけは以前紹介した「靖国問題」という本の最後に湛山が東洋経済新報の主宰であった1945(昭和20)年10月に書いている「社論」~靖国神社廃止の儀 難きを忍んで敢て提言す~を読んで興味を持ったからであるが、その著作物を読むと昨今話題になるキーワード「憲法」「靖国」「対中外交」「小さな政府」について、いかに湛山が明快に論旨を展開し、またその内容が今もまったく色褪せないかが実感されるのである。

薄っぺらで近現代史をないがしろにしがちな現在の歴史教育ではごく短命な内閣を率いた首相経験者としてしか知らない人が多いであろう。しかし、この人は太平洋戦争前から戦中、戦後を通じて国、外交のあるべき姿を問い、訴え続けた貴重な社会思想家であり、今では絶滅したと言ってもよい言論・マスコミ人である。

昨今、政治家発・マスコミ発の陳腐な官民二元論に踊らされているのではと漠然とした危機感を感じている人にオススメする。

今こそ、彼は再評価されるべき人である。
以下の書は湛山自身の評論と湛山について書かれたものが混在しているが、現代においてなお色褪せない湛山の思想を理解するための良書であり、必読書である。









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