(書評)自閉症だったわたしへ
この連作はある人に紹介されて読んだ。彼女は自分のお兄さんが自閉症だったことから発達障碍について関心を持ち自分で勉強もしていた。
このシリーズを読むと自分がどれほど「がさつ」な世界に生きて、人とのコミュニケーションにおいて無神経であるか考えさせられる。一方で自分が気づきもしないような木目細やかな世界で考え込んだり、心配したり、喜んだりしている人々の存在を改めて意識する。
バランスの問題だからどちらがどうとは言い切れないことはわかっている。どっちかが豊かな精神性を持っているわけでも、幸せなわけでもない。どう転んでもとかくこの世の中に順応することは難しい。
でも、ときおりそのバランスをあえて崩してでも、そういう壊れやすくも柔らかな世界に触れておきたいという気持ちがどこかにある。
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