性犯罪、幼児犯罪防止と予備罪
(2005年12月4日 Livedoor Blogより再掲)
予備罪という言葉がある。文字通りまだ発生していないが発生について予見可能になった段階で抑止しようという考え方で、現代の日本では、殺人や放火、強盗、通貨偽造のような重大な犯罪についてのみ非常に限定的にしか適用されていない。
なぜなら戦前の治安維持法といった悪法のおかげで予備罪イコール「個人の思想を自由を侵すもの」「警察権力を必要以上に強くするもの」という固定観念が強いからだ。特に弁護士、弁護士出身の国会議員にこうした懸念をもつ人々が多い。
しかし、昨今の子供・幼児向け犯罪の多発を考える時、この領域については予備罪の適用を拡大すべきではないかと思っている。もはや子供・幼児向け犯罪は殺人や放火、強盗、通貨偽造と並んで重大な抑止策を講ずるべき領域とはいえないだろうか。
たとえば、幼児ポルノについては販売を目的としない単純所持は現在では違法ではないが、これは本当に妥当と言えるのか?もちろん共謀罪のように大きく予備罪の網をかけることには私も慎重なスタンスだが、こと犯罪がいったん発生した場合に、その犠牲者がいたいけな弱者であり、犯罪者の邪悪な意図が成立する
可能性が高い場合は、通常よりも防犯としての予備罪適用を厳格に行ってもよいのではないか、と思うのだがどうだろうか?
ニュースで犠牲になった子供さんの様子を聞くたびに同じ年頃の娘を持つ一人の父親として本当に心が痛む。ご両親の無念さはいかばかりであろうか。これから大きく未来が開けていくであろう年代で、まったく理由が理解できない犯罪者の論理で子供を失ってしまう。
こんなことが本当に許されていいのであろうか?私は凶悪犯罪を犯して社会の安定に対して重大な挑戦をした以上、その犯罪者は通常の人権を主張する利益を喪失したと考えている。もう彼らはある領域においては人権の主張ができなくすべきだ。だってある人(被害者)の人権を侵害したのに、自分の人権保護だけ主張するなんて認められない、絶対に。
「起きてからでは遅い」、そういうことはあると思う。子供向け犯罪というのは、これからの日本で予備罪的であっても抑止しなくてはいけない領域だ。
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