2007年5月5日土曜日

橋爪功さんとシェークスピア

http://www.kotensinyaku.jp/news/event/content05.html
第8回上野の森親子フェスタ
「レクチャーとリーディングで体験する、シェイクスピア」

http://www.jpic.or.jp/ueno/schedule.html
「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」

を観に上野公園に行ってきた。

最初のやつは光文社が古典新訳シリーズを刊行するのに際して
シェークスピア研究家にして演劇手段「円」の演出家である
安西徹雄氏が、翻訳するにあたっての裏話を披露。時折、
橋爪功さんほか「円」の俳優さんがリーディングを行うという
趣旨だった。

すばらしかった。こんなコンテンツが無料で観られるなんて
日本も捨てたもんではない。

ジュリアスシーザーの一説を演説した有川博氏の堂々たる
セリフ回し。ベニスの商人のシャイロックのずるがしこさ、
欲深さをこれでもかと言葉で表現した橋爪功氏の表現力。

翻訳家・演出家でありながら演技の前面に出てきた安西徹雄
氏の人間味。二時間半はあっという間であった。
舞台俳優の凄みはここにこそある!

安西徹雄氏は言っていた。
シェークスピアを訳す時の留意点は3つ。
「舞台のセリフであることを忘れない」「英語と日本語の
ギャップを埋める」「シェークスピアが400年前の人である
ことを忘れない」

彼は翻訳の裏側を生き生きと活写し、そのセリフに俳優たち
が生命を吹き込んだ。

有川博氏が「私はセリフをただなでただけで真実を知らずに
一生を終えるのかもしれない」と言った。
橋爪功氏は「役者は何もわかっていないままやっている
のかもしれない。まして翻訳者の葛藤も。なぜなら役者は
与えられたセリフで演じているから」

それに対して安西徹雄氏は
「役者は演じている時だけが役者であり、それ以外の時は
ただの人間だ。ただし、架空の役柄を演じている時はその
本人でもなく、まぎれもなく架空の人になっている役者そ
のものであり、その声、仕草は観るものに永遠の記憶を
もたらす。役者冥利とはそうした永遠の記憶の植え付けに
こそあるのだ」

と答え、プログラムを締めくくった。

ベニスの商人の法廷のシーンは30分あまりの大熱演だっ
たが、役者が役者であった30分だったと確実に思えた。

いい時間をすごした。

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