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2008年8月24日日曜日

残業ゼロの人生力



「残業ゼロの仕事力」に続く第二弾だが、実際には前作の内容もほぼ
カバーしているので、こちらだけでよい。

退職後は「余生」ではなく、「本生」だ。

残業せずに家に帰って食事をし、妻との会話を楽しむことは「本生」を
ともにすごす大事なパートナーとのコミュニケーションリハーサルでも
ある。

仕事をデッドラインを設けて人一倍一生懸命やって、定時で仕事を
終わらせたその上で残りの時間を「本生」に備える時間に使う。

ある意味、成功者のゆとり哲学のようでもあるが、まずはやってみる
ことが大事。

人生に対する「決め」の問題だ。

2007年5月19日土曜日

鈍感力



表題に(書評)とついていないことからわかるように、この本は
読んでいない。理由は渡辺淳一という人の作品を読んだ事がない
し、読むつもりもないからである。

で、何が書きたかったかというと

最近、もっと気を遣ったほうがいいんじゃないかという無神経な奴に
限って突っ込まれると、自分を正当化するように「鈍感力、鈍感力」
と連呼してその場をごまかす。

原著のなかでもそういう意味で使っているのか?たぶん違うであろう。
おそらく、いろいろとあーでもないこーでもないと気にしてくよくよ
するのではなく、鈍感でいられる位が生きやすいというものなんじゃ
ないのか?(違ったら、余計に読む意味はないわけだが・・)

対抗して「敏感力」という本でも出すか。
何につけ気がつかないアホの多いこの世の中ではそっちのほうが役に
たつ。

2007年5月13日日曜日

(書評)中国古典からもらった不思議な力



ビジネスマンの必読書

以下、レバレッジメモ

自らの運を強くする
・常に当事者になりきって思考するトレーニングを行う
・立派な人間になって徳を積むのだという気持ちを毎日持つ
(いかに他を利するか)
(自分の存在によって職場の雰囲気を良くし、働く意欲を高めるか)
・困難にあっても悲観せず前向きに捉える(艱難汝を玉にす)
・天は自分のために試練を与えてくれている
・反省を心がける(日々新たに)→瞑想
・ベストを尽くすことの繰り返し
・正しい倫理的な価値観を持って努力と忍耐で強い自分を創る。
・自分を律して強い自分を創り自らの運命を前向きに切り開いていくこと

人生の五計
・「生計」どのように健康に生きるか
・「身計」処世術
(ご縁ができたものを自分から終わりにしない)
・「家計」どんな家庭を築くか
・「老計」どのように歳をとるか
・「死計」どんな死を迎えるか
・「冷苦煩閑」に耐える
・仕事を愉しむ
・人生を心豊かに楽しくするために「備えあれば憂いなし」
・自分に起きたことはすべて「天命」
・どんなことが起きても命までとられるわけではない

リーダーの資質
・「誠実さ」(巧言令色、ニコニコには仁がない)
 中途半端なことを言わない(知っていること知らないことはごちゃご
 ちゃにしない)
・「時代を予見する先見性」
(百歩先を見る者は狂人、現状のみは落伍、十歩先を見るもののみ成功
 する」小林一三
・「人材を見抜く力」美点凝視
 正直者を友とし、誠実な人を友とし、博識な人を友とすれば益す
・「視・観・察」観は動機を調べる  察はその人が行動に満足しているか
 程度を計る by孔子
「人を集める度量の大きさ」→極星
(やってみて、言って聞かせて、やらせてみて、誉めてやらなきゃ人は動かず)山本五十六
・「洞察力」
・「胆識」(知識は学んで頭に入れるもの、見識は知識を消化して自分の意見とすること、
 胆識は行動力、実行力を伴った見識)
・「思考力」長期・多面(歴史に基づく)・根本(大局)
(着眼は大局、着手は小局)

仕事を成功させる知恵
・事業の基礎は徳
・自分の行動は義にかなっているか?損得は二の次。利の基は義
・義にかなたら次はいかに効率よくやるか
・野心と志を履き違えない(感動や感激のない人に志はもてない)
・自分一代で終わるのが野心、次の代に引き継がれるのが志
・ビジョンは夢やロマンを含みながら会社の将来像を具体的に示すもの
(中期的でリーダーが変われば見直し)
・ミッションはより長期的で普遍的

(SBIの経営理念)
 1)正しい倫理的価値観を持つ 道理に欠けず、正義を失わず、社会を利する
 2)金融イノベーターたれ 従来の金融業のあり方によき変革を与えることを
   志向しつつインターネットの爆発的な価格破壊力を利用し、顧客の利便を
   より高める金融商品やサービスを開発
 3)新産業クリエーター 二十一世紀の中核的産業の創造および育成を担う
   リーディングカンパニーになる。
 4)セルフエボリューション 経済環境の変化に柔軟に適応する組織を形成し、
  「創意工夫」と「自己変革」を組織のDNAとして組み込んだ自己進化する
   企業であり続ける。
 5)社会的責任 社会的・経済的側面からステークホルダーをはじめとして社
   会全体に対して責務を果たす企業となる。

・常に視野を「高く広く」持つ→私利私欲を捨てて、ゆったりと落ち着いた心持ち
 で大きなことを考える「寧静到遠」
・分を知る
・増やすことだけでなく減らすことも大事。進むだけでなく退くことも大事
 →バランス感覚
・買収、合併は結婚と同じ
・なせばなる→熟慮と気概
・直観力→新商品が出てきたら売れるかどうか考えろ
・目標は常に高く 「努力目標」は目標じゃない
・天地人のバランス
・常に三策を持つ

2007年5月11日金曜日

(書評) 革命社長



もうトリンプからは引退してしまったが、それまで19期連続増収増益、しかも
売上げは5倍に増やしながらバックオフィスのスタッフは増やさずに維持した
名経営者、吉越 浩一郎氏の本。

ご自身で本文を書きながら、時折一緒に仕事をした役員、新人スタッフ、トレー
ナー、工場長らが傍証するように吉越イズムについて語っていく構成で進む。

やっていることはノウハウの巣といってもいいが、肩に力が入るわけではなく
「それが当然でしょう。なぜ皆それくらいのことができないの?」という感じの
飄々とした静かなる信念を感じさせる。

1)毎朝の早朝会議で90分程度の間に40~60の案件をサバき、フラットな
議論をベースに全員に当事者意識を持たせ、「いつまでに誰が何をやるか」とい
うデッドラインと役割分担を明確にし、全参加者で共有する。
2)午後の二時間は「がんばるタイム」として電話、会話をせずに社員が自分の
仕事に集中する。
3)6時半に会社の電気は消し、残業はさせない。
4)翌朝の早朝会議で進捗チェック(前日の課題は基本的に翌日までに解決
報告しなければならない)

大きくはこのサイクルである。しかし、これを愚直に毎日繰り返すことで会社の
カルチャー、プロセス、社員の意識が変っていく。

彼を「マイクロマネージャーで、社長が係長クラスの仕事をしている」などと
批判することは簡単だが、やれるのなら「係長の仕事もできる」というのは
逆に経営者としては「スゴみ」なんじゃないかと思う。

社員を把握し、社内で起きていることを肌身感覚で把握し、即断即決で判断する。
その判断プロセスがロジカルであろうとエモーショナルであろうとすべて公表し
共有する。

経験的に言って、社長と一緒にいる時間が長ければ長いほど社員は「こういう時
は社長はこう考えるだろう」という感覚を持ちながら仕事をするようになる。
段々、一々お伺いを立てなくても社長の懸案事項、思考プロセス、ポリシーが
わかってくれば自分でできるジャッジの範囲が拡がる。それはいつのまにか
経営者マインドで仕事をすることにもつながる。

そういう意味で吉越さんがやっていることはシンプルなルールで社員に経営者マ
インドを埋め込んでいく、吉越DNAを埋め込んでいく一番いいやり方なのだ。

大企業になると社長の考えを理解していない役員と、その役員の考えを理解して
いない部長と、その部長の考えを理解していない課長の指示で仕事をするのだか
ら、ムダや手戻りが発生したり、調整に時間がかかるのは当たり前だ。

トリンプはそれを効果的に取り除いた。それをここでは「革命」と呼んでいる。

もし、早朝会議の様子を実物に近い形で再現した記録が読みたい場合は
「早朝会議革命~元気企業トリンプの「即断即決」経営」日経BP社 を読むとよい。

2007年4月15日日曜日

(書評) 一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える



アンソニー・ロビンスの名前もあって売れているようですが、あえて買うほどでは
ないような気がする。

言っていることはイントラパーソナルコミュニケーションの重要性で、
自分とどうコミュニケーションして 
1)悪いイメージを排除し 
2)前向きに物事を捉え
3)モチベーションを高く維持し 
4)なりたい自分になるか
ということである。

NLPのテクニックのひとつにアンカリングという手法があって心地よい体験と
その時のきっかけを結びつけてあげることで、きっかけを再現することでいつで
も心地よい体験を再現して自分を高揚させたり、落ち着かせたりするのがあるが
要はセルフアンカリングとでもいう手法で自分で自分によいイメージと暗示を
加えていくことが書いてある。

すでに先のエントリーで書いた「新年の魔術」とか「オプティミストはなぜ成功
するか」とかその他数々の成功哲学の底辺に流れているものと同じである。
こうしたベースの成功哲学やNLPの知識がない人には導入として読むにはいい
かもしれないが、少しでも知っていたらわざわざ買う本ではない。

(書評) 影響力の武器-なぜ人は動かされるのか



「承諾誘導」という言葉がある。
人にイエスと言わせ、一定の行動をとるように促す技術である。

ルルーシュの持っているギアスのようなものだ。(一部にしかわからない表現
だ・・)

宗教・化粧品・エステ・英会話教材・映画チケット・・・・世の中には人を勧
誘し、お金を払わせようとする輩が数多くいる。まっとうなものならいい、本
人が納得しているならいいと思うかもしれないが、高等な承諾誘導は「まっと
うだ」「自分で納得した」と思わされるほどよくマインドコントロールを施す。
そこまでいけば返金トラブルが起きないからである。

この本は著者とその研究グループが数多くのこうしたセミナー、勧誘の場に潜
入し取材し、勧誘者のテクニックのうち「これは逃げられない、イエスと言わ
ざるをえない」というキラーテクニックを6つの心理カテゴリーに分類し、こ
う攻められると普通勧誘された、説得された側は逃げられないというテクニッ
クを解説したある種、悪魔の書である。

少々値段は高いし、訳語もところどころこなれていないところがあるが、コス
トパフォーマンスは非常に高い。

読み終わった時には貴方の左目が赤く光るようになっているかもしれない。
(もうルルーシュネタはいいですね、失礼)

(書評) 信念の魔術




先のエントリーで新入社員向けメッセージのひとつとして「3年後になりたい
自分をイメージし、そのイメージを可能な限り精緻なものになるまでディテー
ルを追求せよ」と書いたが、その下敷きになっている本のひとつ。

アメリカの成功哲学によくある「思考は現実化する」「潜在意識をコントロー
ルする」という考え方の基になっている古典ではなかろうか。

実は私は子供のころから空想しがちな子供で、いろいろなシチュエーションを
勝手に想像しては怖がったりうれしがったりして周囲とはずれた世界にいるこ
とが多かった。長じるにつれそれは自分の将来についても空想→妄想へと拡が
ったが、その過程で明確に実感していることがある。

精緻な将来イメージを作るためには、そうありたいという強い欲求がなくては
ならず、逆に強く願ったことは必ずかなってきたということである。

この本は特に具体的な方法が書いてあるわけでもなく、要は「信念と呼べるレ
ベルまで強く思い描いたことは必ず実現する」という唯一の主張がさまざまな
例を通じて繰り返し紹介されているにすぎない。実感のない人には何を根拠の
ないことを・・・と思うかもしれないが、私は実感しているので素直に読み取
れた。

まずはなりたい自分、かなえたい将来を徹底的に細かくイメージしてみてはど
うか?言い方を変えるとイメージできるかどうかで自分の思いの強さを測って
みてはどうか?

だまされたと思ってやってみても何も損はない。
ただ自分の中で妄想しているだけで誰にも迷惑はかけないのだから・・。

2007年4月10日火曜日

(書評) オプティミストはなぜ成功するか



コミュニケーション能力と呼ばれるものには二つある。
ひとつは他人とのコミュニケーション。話し方、プレゼンテーション、説得、
コーチングなどなど。もうひとつは自分とのコミュニケーション。イントラ
パーソナルコミュニケーションと呼ぶべきものである。

イントラパーソナルコミュニケーションは「自分への問いかけ」「自分への
説明」であり、このスタイルが性格や人生、健康状態などその人の生き方を
大きく左右するというのがこの本の主旨だ。

タイトルにあるようにオプティミスト(楽観主義者)傾向がペシミスト(悲
観主義者)よりもよいという大筋だが、ただ一方を勧めるのではなく、オプ
ティミストであったほうがいい場合とペシミストであるほうがいい場合が
ちゃんと書かれている。要はバランスだ。

「思考がネガティブなスパイラルに入りやすい人の傾向は?」

「人はなぜうつ病になるのか?」

「幼少時は男性がよりうつになりやすく、大人になってから女性が男性の二倍うつになりやすいのはなぜか?」

「一時的、特定的、外的に起こっていることを永続的、普遍的、個人的に捉えて自分に説明することの危険性とそうした説明スタイルの転換法」

が知りたい人は読むとよい。

キーワードである「一時的、特定的、外的」と「永続的、普遍的、個人的」という概念はわかりにくいかもしれないが、例をあげると

メールを送ったのに恋人からすぐに返事のメールが来ない時に
「私がいつも自分勝手にしているからメールがこなくても仕方がない」
(永続的、普遍的、個人的)と考えるか、
「あの人、今週残業だと言っていたからきっとバタバタしてるんだろう」
(一時的、特定的、外的)に考えるかの違いと言えばわかりやすいか。

逆転ホームランを打たれた野球のピッチャーが
「オレはいつも肝心な場面で球が甘いコースにいってしまうんだ」
と自分自身に説明して納得するのか
「今日は、あいつがオレよりもうまくやったということだな」
と総括するか?と言い換えてもよい。

やや冗長なところもあるが、丁寧に事例を紹介し、時にテストをしながら
読者に持論を展開していく良著。子供が楽観傾向が強いか悲観傾向が強いかをインタビューするテストも載っている。

今度、娘にやってみよう。

2007年3月25日日曜日

(書評)『テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』

(2006年7月30日 Livedoor Blogより再掲)

面白かったというよりは、このブログで昨年秋に既に書いたことが追認されたということか。「ウェブ進化論」もしかり。

「Web2.0」や「通信と放送の融合」と呼ばれるものは詰まるところ広告宣伝費の分捕りあいに他ならず、そのための個人消費者属性情報をいかに効率良く収集するかというビジネスモデル狂騒、もとい競争なのだ。

お時間のある方は過去のエントリーを参考にされたい。

(書評)馳星周 著作

おそらく馳星周の作品群は書評するのが難しい部類だと思う。面白いが、作品ごとの個体差がない。

名前とキャラが強烈に残るのは「不夜城」「鎮魂歌」「長恨歌」シリーズの劉健一くらいで、残りの作品は劉を越えられないキャラが大して代わり映えのしないストーリーのもとでダラダラと社会の底辺でうごめくだけの作品群が最近まで続いている。

「蛇頭」「黒社会」「マフィア」「密入国」「薬(ヘロイン・シャブ)」「銃」「SM」「同性愛」「同郷」「フェチ」「在日二世」「ヒモ」「ヒモにたかられる女」「ドロップアウト」「悪徳警官」といったキーワードで構成される登場人物数名を「歌舞伎町」「錦糸町」「台湾」「香港」「バンクーバー」を舞台にヤったり、ヤラレたり、殴ったり、殴られたり、殺したり、殺されたりしているのが馳星周ワールドである。

馳はこのロンドを立て続けにやると飽きられるので適度な感覚で再生産して発表している。もともと稀代の「読み手」「書評家」として売り出してきた彼のことである。おそらく自分がそういうシステムでやっていることをとっくの昔に意識していることであろう。

私は彼に期待しているから作品を買い続けている。わかった上で。でも付き合えない人は不夜城三部作だけ
でいい印象だけ持っておきましょうね。





2007年3月20日火曜日

(書評)「国民収奪税」・「粉飾国家」・「偽装国家―日本を覆う利権談合共産主義」

本当に腹の立つ話だ。この本の作者にではない。

この本に書かれている内容と「それ」に向かっていると思しき国家に対してである。

国民を騙して財政を粉飾し、金が足りないからと言って人の財布に手を突っ込んで金を巻き上げる、あるいは人に断りもなく勝手に借金をこさえて、その連帯保証人にし、「返すのはこの人達ですから」と言って逃げる。

財務省が「粉飾」し、政府と組んで国民から「収奪」して補う。自分達は痛みを感じない。
非常によくできた仕組みである。





(書評)石橋湛山

実は今、石橋湛山がマイブーム(死語か?)である。きっかけは以前紹介した「靖国問題」という本の最後に湛山が東洋経済新報の主宰であった1945(昭和20)年10月に書いている「社論」~靖国神社廃止の儀 難きを忍んで敢て提言す~を読んで興味を持ったからであるが、その著作物を読むと昨今話題になるキーワード「憲法」「靖国」「対中外交」「小さな政府」について、いかに湛山が明快に論旨を展開し、またその内容が今もまったく色褪せないかが実感されるのである。

薄っぺらで近現代史をないがしろにしがちな現在の歴史教育ではごく短命な内閣を率いた首相経験者としてしか知らない人が多いであろう。しかし、この人は太平洋戦争前から戦中、戦後を通じて国、外交のあるべき姿を問い、訴え続けた貴重な社会思想家であり、今では絶滅したと言ってもよい言論・マスコミ人である。

昨今、政治家発・マスコミ発の陳腐な官民二元論に踊らされているのではと漠然とした危機感を感じている人にオススメする。

今こそ、彼は再評価されるべき人である。
以下の書は湛山自身の評論と湛山について書かれたものが混在しているが、現代においてなお色褪せない湛山の思想を理解するための良書であり、必読書である。









(書評)王者のゲーム(上・下)

博多華丸のモノマネ「アタックチャーンス!」でブレークする以前から児玉清さんは書評家(しかも原著にも結構あたっている)としてよく取り上げられるようになっていた。

この本も文芸春秋の特集でヒーローモノだったか冒険小説とかいうくくりで児玉さんが取り上げられていたものだ。

基本的にアメリカのヒーローなんてダイハードとか、ロッキーとかツボが浅いんだよなあ・・と思いつつ児玉清さんに敬意を表してまあ試しに読んでみましたよ。

「ページターナー(どんどんページをめくらされてしまう)の面目躍如!」ってコピーもあったけど、上巻読むのになんだかんだで二週間くらいかかったかなあ。忙しかったせいもあるけど同時に複数読み進めるスタイルの私の中であんまり優先的なチョイスにならなかったのが理由。

で、やっと下巻に入りましたよーってところからは一日だった。早かったね。

主人公のジョン・コーリーのキャラ、セリフ回しに慣れてきたせいもあるけど、物語のテンポもよくなった。総合点では充分満足。コーリーシリーズ第一作の「プラムアイランド」をすぐ買って読んでみようと思うくらいには大満足だった。

ネルソン・デミルってトラボルタ主演の映画「将軍の娘」のイメージがあったからつい面白くないんじゃないかと思っていたけど、あれは脚本が悪かったんだろうな。

とにかくコーリーのキャラは気に入った。何度も声を出して笑えるセリフ回しが楽しめたよ。

ありがとう、児玉清さん!






2007年3月19日月曜日

(書評)千尋の闇

ロバート・ゴダード著

もう黙って先入観なしでこの世界に突っ込んで行ってくれという作品。とにかく読むべし。稀代のストーリーテラーであるゴダードの作品の中でも珠玉の歴史ミステリー。いくつもの謎を解き明かしてはそれが新たな謎につながり、ようやく全部解明できたと思って顔をあげてまわりを見渡すとそこに見えてくるものは・・・。

いい本や映画というのは読み終わった(観終った)後、どのくらい一人で誰とも口をきかずに浸っていたいかでその良作度を測ることができると思っていますが、この作品は夜中に読み終えるようにすることをオススメします。理想は夜十時に読み始めて上下二冊を夜中の1時から2時くらいに読み終わるペースでしょうか。

素敵な夜長を過ごされんことを・・・。



(書評)太平洋の薔薇

これも骨太の小説であり、やはりハリウッド映画化に耐える完成度の高い作品。笹本稜平は映画化を想定して書いているのではないかと思ってしまう。こちらは前作とは違って舞台が海になります。シージャックというありがちな設定で始まりますが世界中で同時多発的に事態が進展し、最後に舞台となる老朽貨物船パシフィックローズ号にすべての要素が収斂していきます。キーマンの男達が皆、「漢(おとこ)」って感じです。



(書評)天空への回廊

自分は高高度登山というのをやったことはないが、読んでいると自分がそれをやっているかのような気がしてくるくらいの描写力。図らずも国際謀略に巻き込まれた日本人トップクライマーが限界の中で友人救出
へ向かう。この作品、絶対にハリウッド映画化してもいいと思うな。

2007年3月18日日曜日

(書評)NLP

知り合いにキャリアカウンセラーやビジネスコーチをやっている人がいる関係でよくこのNLP(神経言語プログラミング)の名前は聞いていた。カウンセリングやコーチングのセッションの無数の事例の中からベストプラクティスを選別、解析し有効と思われる手法を体系化したものだという。

批判を恐れずに言うと、その中身は「トラウマコントロール」である。人間は生まれてから数々の経験、親の価値観等によって心理的に色々なトラウマ(こうあらねばならないという思い込みや、こうしてはならな
いという禁止事項、先入観等を含む)が積み重なっており、それが本来その人が営むべき自由な精神的・身体的活動を阻害している。NLPはそうしたもの、特にネガティブなものからその人を解放する様々な手法を持っている。

その手法の中には「本当にこれでなんとかなるのか?」と疑問を感じるものも少なくないのだが、そういうややオカルト的なものもありだと思って受け止めると普段のコミュニケーションに活用可能なコミュニケ
ーションテクニックが少なからずある。

本来はきちんとした講習会を受けるか、その講習会でプラクティショナーとして認定された人の指導を受けないと正しい知識にはならないということだが、職業としてその手法を用いる必要がない人はこうした書籍
レベルで実践イメージをつかんでいくといいだろうと思う。

特に子供のいる人は意外に子育てに応用できる点があって発見が多いと思う。



(書評)拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる

(この記事は2005年10月25日にLivedoor Blogに掲載したものを再掲)

昨年は10月14日にアメリカ政府から日本政府に提出されているので、そろそろ今年も恒例の「年次改革要望書」(正式名称:日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書)が届くはずである。この本は日本がいかにこのアメリカの「年次改革要望書」のシナリオと内容に沿って規制緩和(という名の外資導入)を行ってきたかを書いた本である。

当然ながら郵政民営化法案もこの要望書の争点に沿って立案されている。驚くべきは、阪神大震災の後に建築基準法が改正になり、いかにも震災をきっかけに建築要件が厳しくなっているかと思いきや、米国の建築・設計事務所がコンペに参加しやすいように基準が緩やかにされたという事実である。国は震災を教訓にしたのではなく、年次改革要望書を優先させた規制緩和を行ったのである。

今年は当然、牛肉輸入再開が最優先事項となっているはずだ。当然のことながら、国が優先するのは年次改革要望書にどう応えるかであって国民の食の安全ではない。TVニュースで主婦が「国が認めるのですから安全なはずなので、安ければもちろん米国産を買いますよ」と答えていたが、こういう人は残念ながら何かあっても救われない。

先のエントリーに書いたように、この社会は情報は選択的にしか発信されないし、それを批判的に検証することを怠った消費者・国民は国からも救われない。

それが今後日本が向かおうとしている(国民がそうしてくれと総選挙で選択した)「小さな政府」というものである。





(書評)白州次郎

当時のGHQの動きとか白州次郎その他の人の回顧録を読むと日本国憲法というのはまったく専門外の人間が英文で草稿し、それをやっつけ仕事で翻訳したものであることを知って、なんだかなあと思っていた。

今、この国が憲法改正に向かおうとしているが「基本」を押さえておかないと、つまらん右だ左だのイデオロギー論や海外世論に振り回されることになりそうだ。自分の国の憲法がどうあるべきか自分なりのスタンスは構築しておきたいと思う。

恣意的に運用されるような憲法ならば、きっちり作り直したほうが曖昧さがなくていい。

しかし、最初にこの書評を書いた後、ずいぶん白州次郎ブームになったようだ。
なんでこういう潔く、生き方がカッコいいとされる男が歴史の表舞台からほとんど記述を削除されて
いたのか?そこには何か意味があるのだろうか。アメリカのマークが外れたとか?





(書評)痛快!憲法学

昔(20年くらい前の学生時代)はただの博学なトンデモオヤジだと思っていた小室直樹だが、M2(宮台真司、宮崎哲哉)に紹介されるまでもなく、歳とともに偉大さがわかってきて、今年はAmazonで著作を「大人買い」してサブ読本としてもう一度読み直しをしているところ。

「護憲か改憲か」「九条の問題をどうするか」「集団的自衛権をどう捉えるか」などの個別論点を深く掘り下げている人は非常に多いと思うが、それが憲法という体系の中でどういう位置づけなのか。そもそも今の憲法って「憲法的に」どうよ?というそもそもを押さえておきたい場合に最適な一冊。

一応、これでも法学部だったんだけど、大学ではこういう思想的な背景や法典としての位置づけについてはやらんかったような気がする。(言い切れるほど学校に行っていないので「気がする」にとどめる)

しかし、「ここ試験の頻出ポイント」というところは個々の条文の解釈について各種学説を批判的に検証せよのような問題だったのでそもそも論には触れないのが「憲法」というものへの基本的、学問的お作法だったのだろう。